台湾包種茶のトップ茶師(蘇志成)と木柵鐵観音茶の名人(張益銓)指導のもとでお茶を作ります

今回も特別バージョンが実現できました

文山包種茶を作らずに、どんなお茶が作られるのでしょうか・・・
まだ参加者は秘策が秘められていることを知りません。まずは茶摘に出発です。雪山山系に位置する茶畑で茶摘を行うのですが、道路から山道を入ったところに茶畑があります。すでに茶摘をお願いしていたプロたちがたくさんの茶葉を摘んでいました。この中に入り、一緒に茶摘です。雨の予報でしたが、好天気に恵まれ大汗を流しながらの作業。樹齢20年の青心烏龍種が今回の品種。この畑には半年、1年半の若い茶樹もあり、2年後には若い茶樹から作ったお茶が楽しめそうです。参加者に比べて茶葉量が多いのはなぜでしょうか。ここに今回の秘密が隠れているようです。

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

摘み取った茶葉は日光萎凋、室内萎凋の過程に進みます。朝9時から始めた茶摘、日光萎凋が始まったのが11時半と、いつもより進行スピードが速いのには目的があります。まだ、これから始まる秘密は参加者には知らせていません。日光萎凋作業も10年前と今では大きく変化しています。以前は直茶日光の下、日陰を作らないように注意されましたが、近年は茶葉に直射日光を当てない日光萎凋?がおいしいお茶の条件です。屋根付の萎凋室で茶葉を広げて、自然の風と半透明の屋根越の光で萎凋させます。日本の書店で売られている解説本にはこのようなことは書かれていません。やはり、自分の目で見て体験することが重要です。

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

日光萎凋が終わった茶葉はまだまだ、瑞々しくおいしそう。この凛とした茶葉がこれから変化して「お茶」になります。

恒例の「ざる振り」

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

文山包種茶作りに欠かせない「ざる振り」です。茶参福氏は軽々と振りますが、初参加者は大苦戦。ざるの中心に茶葉が集まらず、ざるの外に茶葉がこぼれ落ちます。ベテラン茶師に見本を見せてもらうと、簡単に中心に集まるのですが、、、これが体験の醍醐味。

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

室内萎凋は延々と続く作業です。茶葉に含まれる香気の中で不要な香りを放出させ、必要な香りのみを残す作業。文山地区であみ出された秘伝の技です。今回も参会者だけで作業を行い、茶師は実技指導と、必要な指示を出すのみ。まさしく自分たちだけのお茶です。作業はどんどん進み深夜1時過ぎに最終工程を済ませて、本日の作業は終了。朝まで少し休憩です。夜になり降り出した雨と寒気が萎凋にとって最高の自然環境となりました。通常はエアコンと加湿器を使って行う作業が自然の中で作られます。萎凋室の温度と湿度にノウハウがあるのりで詳しいところは参加して確認してください。

通常なら最終工程ですが、今回は違います(笑)

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

二日目の朝7時より作業開始、萎凋室から殺菁作業室へと茶葉を移動します。初め26枚あった茶葉はまとめられ、3回に分けて殺菁からの作業を行います。萎凋が終わった茶葉は、通常より少し赤くなっていますが、今年の春茶が持つ共通した欠点です。通常の殺菁時間より、少し長めに殺菁し、揉捻時間は通常より大幅に短く作業を行いました。乾燥作業も低温で一回だけ行ったところで、木柵鐵観音の名人「張益銓」茶師が到着です。茶師の到着によって今回のお茶の全容が参加者へ告げられました。

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

今回は「球状茶」を作っていたのです

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

蘇茶師は文山包種茶のチャンピオンですが、球状茶となると勝手が違います。そこで張益銓茶師の登場。木柵鐵観音のコンテスト上位茶は坪林で栽培、製茶されているということをご存知でしょうか。環境の悪化によって木柵地区でおいしい鐵観音茶を作れるのは極少量。木柵の茶師は坪林に移り住み、鐵観音主の茶葉を育て、製茶しています。鐵観音茶はいわずと知れた球状茶です。張益銓茶師に文山地区の球状茶の作り方をここから指導してもらいます。

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

一回乾燥した茶葉を袋に包んで「団揉」作業を行います。蘇茶師の製茶場にはなぜか数台の設備が設置されていました。昨年秋から何度も交渉をしながら実現した「球状茶」、しっかりと学習します。袋に包み、機械で絞り固めた茶葉を、専用の機械で揉捻します。初めは機械で揉捻をしましたが、途中では機械がなかったころのやり方で作業を体験。あまりの重労働に二回作業を繰り返しただけでギブアップ。目の前で徐々に茶葉が変化していくさまは、まるでマジック・・・貴重な体験です。

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

二回作業を行い、殺菁機の温度を下げて茶葉を加温する。加温した茶葉を袋で包んでもむ。このような作業が繰り返し行われます。加温時間は実際に茶葉を触り頃合を体に刻み込みます。時間だけでは作れない職人の技を少しずつ盗み取る、管理人です。参加者から一粒一粒に丸まっていくのでしょうかと、素朴な疑問。実際に作業を進めてみると、ちゃんと一粒ずつ丸まるのは計算された作業の成果でした。まだまだ、丸いというには程遠い状態の茶葉です。

球状茶!

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

単純作業に見えて複雑な計算が組み合わされた団揉です。凍頂や阿里山、梨山とも違う作業進行に勉強になることがたっぷり詰まっています。初めのうちは揉捻終了後、渾身の力をこめて解いていたものが、作業の進行とともに解きやすくなってきました。

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

朝9時から始めた作業も、昼を過ぎ夕刻になりました。茶葉は一粒一粒丸く球状になり、団揉も終盤の作業に突入。條型の茶葉が球状に変化すると、団揉終了後の茶葉は袋から出すと、ほろりと崩れるようになります。ここまでくると、あとは硬さの調整です。時間をかけて硬くする方法もありますが、台北市内に戻る必要があるので夕方6時に作業終了です

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

茶葉の変質を防止するために、乾燥作業。初めは少し高温で30分、次に85度前後で2時間。あとは仕上がりを待つだけです。今回のお茶は「坪林雪山烏龍茶」、雪山山系の茶葉を使ったお茶になりました。文山包種茶とも中部の烏龍茶とも違うさわやかな香りと、すっきりとした甘さのお茶に仕上がりました。日本に戻り、再度火入れをしたら、また違った感じになるのではないかと楽しみが増えました。

食事も製茶実習・体験の楽しみ

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

作業の合間に完熟のパイナップルを食べました。近くに商店はないので、車で売りに来たものを購入です。すぐに皮をむいてくれ、食べられる状態にしてくれるのは台湾式。日本で食べるものとは一味違う香りと、甘く濃厚な味についつい食べすぎです。食事は野菜中心で、蘇文松茶師の奥様が作ってくれました。台湾長茄子料理はいつ食べても絶品、野菜は自然な味です。

製茶実習・体験 製茶実習・体験 製茶実習・体験

今回は文山式球状茶ということで、新しい発見がたくさんありました。また、球状茶を作る大変さを実体験できたことは貴重な体験となりました。最後の仕上げに向かって、積み木を重ねるように作業を行うことの大切さを感じました。蘇文松茶師、蘇志成茶師、蘇冠軒茶師ほか蘇家の皆様に感謝します。また、球状茶指導の張益銓茶師に感謝いたします。

Copyright(C) 1999 Paloma Co.,Ltd. All Rights Reserved.