台湾で最高の紅茶を作る高茶師・粘茶師のもとで紅茶を作ります
製茶実習史上初の長距離遠征
いつもの台北縣坪林郷より飛び出し、長距離特急列車「自強號」を利用して台北駅より瑞穂駅まで4時間強の列車の旅が始まりました。参加者は日本より8名、台湾より1名、管理人と助手の計11名です。列車の切符は一般前売発売と同時に予約購入しましたが空席ゼロ。旅行会社によって買占めされてしまっていました、やむなく席無しチケットを前売購入。台湾到着後、毎日朝昼晩台北駅に行ってキャンセルチェックするも席を確保するのは難しく前途多難なスタートとなってしまいました(涙)。席無しチケットのまま当日朝、最後のチャンスにかけて窓口へGO。なぜかすんなり全員の席を確保できました。列車に乗り込むと空席がいたるところに見受けられ、何故チケットが取れなかったのか疑問です。
無事出発した列車は一度北上し、そこから南下するコースで4時間強の旅。台北を出発して九分への乗換駅「瑞芳」付近では土砂降りの雨となりました。宜蘭、花蓮市街を通過する頃には曇り空から晴れ間がのぞき安堵感が。予定時刻の11時少し前に「瑞穂」駅に到着しました。粘茶師の出迎えを受け、さっそく実習場所の高茶師のお店へ。高茶師と粘茶師は夫婦で製茶技術は台湾の中でも群を抜いています。お店でウエルカム台湾茶をいただき、昼食を取り、茶摘に出発。ここ数日天候が不安定、さらに茶摘後の萎凋時間が長時間かかるので前日に茶葉を用意してもらいました。したがって茶摘体験で摘んだ茶葉は紅茶にはならないのですが、この茶摘が新しい展開の始まりでした。
はじめは歩いて10分ほどの大葉烏龍種の茶畑ではじめましたが、あっという間に美味しそうな新芽を取り尽くしてしまいました。高茶師が行っていた製茶体験(台湾人対象)では、この程度の茶摘でほとんどの参加者は満足していたようです。しかし本格的な紅茶を作りたい一心で集まった今回の参加者、まだまだ茶摘をしたいとの希望があり、急遽、生育状態の良い金萱種の畑へ移動しました。こちらは烏龍茶製茶体験実習用に管理している畑で紅茶に適さない品種です。この茶葉を使って緑茶を作ることになり、きれいに出揃った茶葉の摘み取り作業開始。粘茶師、高茶師の指導や解説を受けながら約2時間作業を行いました。摘み取った茶葉は約3kg、最終仕上げで1斤前後の茶葉となる予定です。。高茶師が製茶技術を開発した「蜜香緑茶」を作るのです。
茶葉の状態は最高、美味しい冬茶が作れそうです
茶葉は冬芽が伸び「冬茶」に最適な状態。このときの気温は31度ですが、茶樹に茶花が咲き始めているので冬の茶畑とわかるような陽気です。幸いにして雲が広がり茶摘をするのに条件はさほど悪くありません。
全員で汗を流して摘んだ茶葉はキラキラひかり、おいしいお茶になるような予感を感じさせます。茶摘の後、参加者で記念撮影をし、本命の紅茶作りをするためにお店に戻ります。
紅茶を作りつつ、緑茶をつくります
参加者全員で摘み取った茶葉約3kgをざるに薄く広げ、夕方の涼しくなった空気を利用して萎凋を始めます。5時間ほど萎凋を行った茶葉は約250度の高温で一気に殺菁し、少量であったため布に包み茶葉を保護しながら機械と手で揉捻します。その後乾燥機にいれて80度で8時間ほどかけてゆっくりと乾燥させます。
さあ、紅茶をつくります・・・紅茶の命は揉捻と醗酵
萎凋を行った茶葉は青心烏龍種約35kg、この茶葉を3つに分けて揉捻開始。お楽しみで揉捻機を使わずにすべて手作業で行う特別茶も作ることになり、4つに分けて作業が始まりました。手作業班は揉捻を延々と繰り返します。少量ですが大変な作業、手が紅茶色に染まっても作業は続きます。
機械揉捻を行った茶葉は手作業で揉捻を行います。この後機械揉捻を行い、再び手揉捻の作業を延々と繰り返し、4時間弱この作業を行いました。茶葉の色は緑から徐々に褐色に変化し、香りも草原の草の香りからメンソール香が徐々に出始めました。作業後半になると香りが強くなり、美味しいお茶になってくれそうな予感が。揉捻作業が終わり醗酵を促進するために醗酵室へ移動。室温25-27度、湿度70%が美味しい紅茶を作る条件です。茶葉が醗酵している間に夜の食事に出発。
夕食は茶葉料理、海老、豚足、ちまきなどに茶葉を使った珍しいもの。特にちまきは好評でおかわりをして食べつくしてしまいました。いつもお茶生産期間中は酒類を口にしない高茶師も、日本からの来客にお酒を少々。このような食事をしている間に茶葉は徐々に醗酵が進み紅茶へと変貌しつつあります。
本日最後の仕事の前に二胡でお楽しみ、、、
粘茶師のお父さんは二胡を楽しむ人のひとり、たくさんの二胡を収集しております。今回はお父さんにお願いして二胡を練習させてもらいました。はじめは雑音としか聞こえなかった音も、徐々に音階が出来てきました。もう少し続けたかったかったのですが、醗酵の最終局面が近づいてきたのでお店に戻ることにしました。
ここで驚いたのは「殺菁機」に火が入ったこと。紅茶は殺菁しないお茶なので、何ゆえに殺菁機が登場するのか、意味がわかりませんでした。低温で茶葉の水分を少なくし、醗酵の最終調整を行うために茶葉を温める作業でした。暖めて揉捻の作業を繰り返して一連の作業は終盤を迎えます。
手揉捻作業のお茶は最後の揉捻を繰り返します。すでに手は紅茶色に染まっています。機械と手で最終仕上げしたお茶と共に乾燥機にセット。100度以下で10時間あまりの乾燥作業に突入。この合間にゆっくりと睡眠をとることにします。時間はちょうど日付が変わった頃です。朝の目覚めは5時、宿泊場所からの朝の景色がきれい、朝靄が渓谷より立ち上り最高の雰囲気です。さあ、どんなお茶になっているか楽しみです。
二日目は快晴、朝食は牧場で・・・
朝食は近くの瑞穂牧場にてお薦めモーニングセットとアイスクリームのフルコース。ゴミ箱から建物、お土産まで牛柄に統一されており、ダチョウと牛を見ながら外で食事です。搾りたて牛乳と牛乳プリン、チーズケーキだけでも満腹、さらに牛乳蒸しパンに揚げパンがつくので食べきれなーいの声があちららこちらから。牧場気分満喫の朝食でした。
朝食後は乾燥途中の紅茶をチェック、なかなか良い仕上がりとなりそうです。続いて緑茶、紅茶のテイスティング。高茶師が作ったほかのお茶と比較しながら聞茶。緑茶の仕上がりは上々で大葉烏龍種のほうが香りが引き立つように思います。金萱種は少しおとなしい香りですが、少し時間がたったときが楽しみです。紅茶は香りはまだ弱いのですが、甘みが強く3週間ほど熟成させた後の味が凄く楽しみです。後は乾燥機から取り出せばすべて完了。テイスティング後は紅茶、烏龍茶を使ったアレンジティーをいろいろ作ってわいわいがやがや。とても楽しいひと時でした。
今回最後のイベント、紅茶、烏龍茶を使い茶凍(お茶ゼリー)を作ります。作り終わった茶凍は昼食の後のデザートとしてみんなで食べました。作り終えた紅茶、緑茶、手揉捻紅茶を袋詰めして全員均等割り。帰国後3週間ほどすれば香りも上がり美味しく飲めることでしょう。台北へ戻れる列車はあと2本残すのみ。時間を見計らい駅へ向かい、途中「ちまき」と「四神湯」を列車の中のお弁当として購入。列車は定刻に到着し、台北へも定刻21時に到着。タクシーにてホテルへ向かい解散となりました。参加の皆様お疲れ様でした。
高茶師、粘茶師にはお世話になりました、心よりお礼申しあげます。また宿泊をお願いした東昇茶荘の皆様にもお礼申し上げます。また、TV取材にきてくださった「石」記者、放送時間は列車の中でしたので放映は見ていませんが、ありがとうございました。